海洋堂は、ワンダーフェスティバルにてスタートを切ったワンフェス公式レーベル「ワンダーショウケース」より、第40期プロデュースアーティストを発表した。
ワンダーショウケースとは
「ワンダーショウケース」はワンフェスを母体とする新たな組織(レーベル)であり、ワンフェスから生まれた才能に幅広い可能性を提供するためのサポート機関、新進造形作家の育成と繁栄に目的を置いたアーティストプロデュースシステムです。
ワンフェスを舞台に活躍している造形作家の中から「ワンダーショウケース」参加アーティストを選出、各アーティストごとに最短でも6か月間のプロデュースを行います。その期間中は参加アーティストの作品を「ワンダーショウケース」オリジナル商品として販売すると同時に、参加アーティストの才能が広く理解されるよう、積極的な支援活動を試みていくつもりです。商品の販売はワンフェス会場(「ワンダーショウケース」特設ブース)をメインとしますが、ワンフェス終了後も(株)海洋堂直営ショップでの取り扱いや通信販売を通じ、ワンフェスへ参加できなかった人への流通も確保します。
「ワンダーショウケース」との契約期間中も参加アーティストは基本的にはフリーの立場にあり、ガレージキットメーカーや出版社をはじめとする無数のクライアントとの業務上での接触、および実作業は、各アーティストの意向に任されます。プロデュース期間中、アーティストへの連絡窓口は「ワンダーショウケース」が担いますが、恒久的にマネージメントを拘束するわけではありません。あくまでも期間限定問い合わせ先として、アーティストへのサポートを務めます。このような交渉事においては、ワンフェスを主催する(株)海洋堂も単なる1クライアントとして他クライアントと同一線上の立場に置かれるため、(株)海洋堂がそのアーティストに対し優先的に仕事を依頼できるような特権を持つことはありません。この点につきましては本レーベルにおける意義の根幹に関わる部分ですので、厳正なルールを適用していきます。
また、「ワンダーショウケース」での展開終了後は、そこで販売した作品の権利も各アーティストへ完全に返還します。ですから、「ワンダーショウケース商品として販売されていたそのもの自体をパーマネント商品として引き続き販売したい」といった要望も、アーティストとの直接のやりとりの元で可能となります。
「ワンダーショウケース」参加アーティストは、ワンフェスを中心に活動し、かつ、本企画の趣旨に賛同される新進造形作家すべてから広く求めます。そして、こちらから声を掛ける場合もありますが、造形作家自身や、ワンフェスに関わるすべての人々(一般入場者や、プレス/業界関係者も含む)からの推薦や提案も常時歓迎いたします。つまり、造形作家の「自分は新たなステップを踏み出したい」という意思表示の場として、その他の人々の「この才能をこのまま放置しておくべきではない」といった“目利き”の場としても、「ワンダーショウケース」は機能するものと考えます。
以上のように、「ワンダーショウケース」の活動目的は「参加アーティストが自身の将来を見据えた際、複数の選択肢のなかからそれを選ぶことができるような環境の作成に協力していく」ことにあります。要は「参加アーティストに、それ相応の力がある事実を世に広く提示すること」がその主たる活動であり、その結果、将来的に彼らがどのような道を歩んでいくか(たとえば、原型師としてプロフェッショナルデビューするかどうか)は、各人の判断に委ねていくつもりです。これまでこの世界では聞き慣れなかった“レーベル”という枠組みを名乗る意義もそこにあり、商品販売で利潤を生むことを目的とする“メーカー”とは一線を画す存在として機能していきたいと考えています。
さらに、実際に販売するプレゼンテーション作品(レジンキャストキット)についても、「物欲を満たす対象」としてだけでなく「その造形作家への信任投票」という側面も含んでおり、そういう意味では、一般顧客までが広く参加するムーヴメントであると言えるでしょう。
ワンダーフェスティバル公式サイト:https://wonfes.jp/specialsite/
ワンダーショウケース公式サイト:http://www.wondershowcase.com/index.html
「ワンダーショウケース」第40期プロデュースアーティスト紹介
WSC#108 針桐双一
運命的とも言える「3Dスカルプトツールとの邂逅」抑揚の利いたスタイリッシュな造形美の持ち主
1989年5月22日生まれ。幼少期よりミニ四駆やガンプラを嗜み、08年に、当時ネット上で人気を誇っていた造形作品投稿サイト「fg」を発見、同サイトへ投稿するために造形へ着手しはじめる。そしてそれと同時期にワンフェスの存在を知り、11年、大学3年生の際に“G-Rug”名義にてワンフェスへディーラー参加を開始。本人的には「基本的になんでも作れる造形屋でありたい」という感覚の持ち主で、「東方Project」「艦隊これくしょん-艦これ-」といった美少女系キャラクターを造形しつつ、同時にクリーチャー系の造形も手掛けるなど、幅広い造形力が特徴。
「作品コンセプトを文字に起こした時点で魅力的であること」「何か一要素でもよいからそのキャラクターの造形物の中でいちばんを目指したい」という自己規約に当てはまる対象作品に巡り合った際には、「どんなキャラクターでも構わないのでチャレンジしてみたい」とのこと。ちなみに18年から本腰で造形に取り組みはじめ、現在はすでにフリーの原型師としてガレージキットの販売やオーダーメイド作品製作等を開始、プロの造形作家としての活動をスタートさせている。
WSC#108プレゼンテーション作品解説
作品名:DARK SOULS(墓王ニト)
from マルチメディアで展開されたアクションRPGソフト「DARK SOULS」
ノンスケール(全高200mm/全幅300mm)レジンキャストキット
※諸般の事情により、当プレゼンテーション作品は展示のみで販売は行われません
WSC#109 Entei Ryu
2Dと3Dを自由に行き来することができる「風穴」オタクカルチャーとストリートカルチャーとの融合
1993年12月4日北京生まれ。幼少期から日本のアニメや漫画、ゲーム等にどっぷりと浸った日々を過ごした結果、その影響で、ちいさな頃から漫画を描きはじめ、中学生時代からはペンタブレットを使ったイラストレーションの創作活動をスタート。その後、北京工業大学へ入学して建築を専攻。17年の卒業後に来日して東京大学の大学院へ入学し、建築専攻で勉強しながら同時に、フリーランスとして東京のゲームや映像業界でコンセプトアートの創作にも従事しはじめる。
なお、いま現在名刺に書かれている肩書は「アーキテクト」「コンセプトアーティスト」「デジタルスカルプター」となっており、活動拠点を東京に置きつつ、日本はもちろん、海外のゲーム会社/CGアニメーション会社などもクライアントとしている。ちなみに今後の造形活動に関しては「造形スキルが磨かれることで生業としているコンセプトアートの表現が効率的になり、より魅力的な作品を作ることができるようになる」と考えているため、「ワンフェスにディーラー参加する際には最低でも毎回1点は新作を発表する頻度で造形活動を続けていきたい」と語る
WSC#109プレゼンテーション作品解説
作品名:CROCOGIRL
from WSCアーティスト自身による創作作品
1/10スケール(全高210mm)
レジンキャストキット
商品販売価格:ワンフェス会場特別価格/20,000円(税込) ワンフェス終了後の一般小売価格/23,100円(税込)
※7月25日以降はホビーロビー東京&ホビーロビー門真店頭、及び、海洋堂公式Webサイト(http://www.kaiyodo.co.jp/)内「海洋堂オンラインショップ」(http://kaiyodo.ecq.sc/)での取り扱いが基本となります
WSC#012 ひいらぎはじめ
トータルコーディネイトで魅せる創作系タイトルは壮大にして絶対的な「究極のイマジネーション」
1990年11月26日生まれ。児童雑誌のオリジナルロボット投稿コーナーに毎月応募したり(誌面掲載された経験あり)、ミニ四駆を改造してマーカーで塗装するなど、幼少期からオタク的趣味をフルスロットル状態。美術系大学へ進み上京したのちにワンフェスへ一般参加し、「自分でフルスクラッチビルドしていた作品をすでに見知らぬ誰かが作っていて、しかもそれがイベント会場で買えてしまうなんて……」とショックを受け、12年冬のワンフェスより“Hi-raging-2629”という名称にてディーラー参加をスタートさせる。
現在使用している3DCGツールはハードサーフェイス系モデリングソフトとZBrushで、3Dソフトの導入理由は「重力が存在しない空間内で、分割したパーツを空中固定させておけること」がいちばんであり、「それに比べればアンドゥ・リドゥやミラーコピーはおまけみたいなもの」と語る。なお、いま現在はイラストレーション作成会社へ務めており、そうした「きちんとした生業」を持ちつつ、「自分が王様になれるRoyal Inner Selfをきちんと完結させることが当面の目標」だという。
ひいらぎはじめ氏Twitter:https://twitter.com/Hi_ragiHajime
WSC#110プレゼンテーション作品解説
作品名:始皇帝&スイコ
from WSCアーティスト自身による創作タイトル「Royal Inner Self」
1/10スケール(始皇帝=全高220mm、スイコ=全高160mm)
レジンキャストキット
商品販売価格:ワンフェス会場特別価格/28,000円(税込) ワンフェス終了後の一般小売価格/31,900円(税込)
※7月25日以降はホビーロビー東京&ホビーロビー門真店頭、及び、海洋堂公式Webサイト(http://www.kaiyodo.co.jp/)内「海洋堂オンラインショップ」(http://kaiyodo.ecq.sc/)での取り扱いが基本となります
プレゼンテーション作品販売形式
商品取り扱い店
海洋堂ギャラリー ホビーロビー東京
住所:東京都千代田区外神田1-15-16 ラジオ会館 5F
不定休/営業時間11:00~20:00
電話番号:03-3253-1951
海洋堂ギャラリー ホビーロビー門真
住所:大阪府門真市新橋町3-1-101 イズミヤ門真店 3F
不定休(イズミヤ門真店の休館日に準じる)/営業時間10:00~18:00
電話番号:06-4397-7787
商品通信販売
海洋堂オンラインストア:http://www.kyd-store.jp
Dark Souls™& ©BANDAI NAMCO Entertainment Inc./ ©FromSoftware, Inc.
©EnteiRyu
©Hi-raging-2629